リトアニアの旅 3日目 ーŠilininkų senosios muitinės pamatai編・Panemunė編

投稿日: 2025年10月10日 18:00

リトアニアの旅 3日目 ーŠilininkų senosios muitinės pamatai編・Panemunė編

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Šilininkų senosios muitinės pamatai編

Šilininkų senosios muitinės pamatai編

Dituvaの吊り橋を後にして、静かな道を進んだ先で出会ったのは、
「Šilininkų senosios muitinės pamatai(旧税関跡)」という場所でした。

地図上では森の中にぽつんと位置していて、
訪れる人も少ない、ひっそりとした遺跡です。
ここがかつて国の境を守っていた税関。
19世紀から20世紀にかけて、人や物を通すかどうかの検査がこの地で行われ、
ソ連時代には国境警備も非常に厳しかったそうです。
ほんの少しの滞在時間でしたが、川の向こうがロシア領土と考えると見え方が変わりました。

『旅メモ』

名称:Šilininkų senosios muitinės pamatai(旧税関跡)
所在地:Šilutė地区、Klaipėda県 内(リトアニア西部) Mapcarta
緯度経度:およそ 55.20047°N、21.55898°E Mapcarta
特徴:古い税関施設の遺構。周囲は林と野原に囲まれ、訪問者が少ない静かなスポット

Panemunė編 国境の橋、二つの国をつなぐ

Panemunė編 国境の橋、二つの国をつなぐ

Šilininkaiを出てしばらく走ると、
道路沿いに茶色の建物が見えてきます。
ここが Klaipėdos Teritorinė Muitinė, Panemunės Kelio Postas(クライペダ地方税関・パネムネ道路検問所)。
リトアニアとロシア(カリーニングラード州)を結ぶ国境の検問所です。 
この日は車の姿もなく、静まりかえった国境の空気が、
かえってその場所の緊張感を際立たせていました。

検問所のすぐ横には小さな公園があります。
ベンチや遊歩道が整えられ、木陰の多い落ち着いた場所。
私たちはそこから川の向こうを眺めました。

リトアニアからの景色

リトアニアからの景色

対岸にはロシアの町ソヴェツク(Sovetsk)が広がり、
その中央に ルイーゼ王妃橋(Queen Louise Bridge) がかかっています。
アーチ型の橋はリトアニア側からもはっきりと見え、曇り空の下、その光景はいっそう静かで、
どこか時間が止まったような雰囲気が。

さらに目をこらすと、
ロシア側の岸辺には建物が並び、
その横には移動遊園地のような施設が見え、風に乗って子どもたちの笑い声がかすかに聞こえました。

川一本をはさんで違う国の人々がそれぞれの時間を過ごしている――
その光景を眺めながら、
国境というものの不思議さを静かに感じました。

『旅メモ』

 名称:Klaipėdos Teritorinė Muitinė, Panemunės Kelio Postas(クライペダ地方税関・パネムネ道路検問所)
 所在地:Panemunė, Pagėgiai Municipality, Lithuania
 関連施設:Panemunė Border Crossing Station(パネムネ国境橋)
見どころ:リトアニア側の公園から眺めるルイーゼ王妃橋とソヴェツクの街並み。
 備考:国境管理区域のため、橋の通行には制限がある。

エピローグ リトアニアを横断した一日

エピローグ リトアニアを横断した一日

朝8時にカウナスを出発し、
東から西へと約580kmを走り抜けた一日。

Gudžiūnaiではコウノトリの巣を見つけ、
十字架の丘では静かな祈りの場所に心を打たれ、
昼は郷土料理のレストラン「Miško Ranča」でひと休み。
その後、Dituvaの吊り橋、Šilininkaiの旧税関跡を経て、
最後はパネムネの国境橋へ――。

地図で見ると長い道のり――まさにリトアニアを横断する一日でしたが、
走ってみるとその時間が思いのほか楽しく、
リトアニアという国がぐっと身近に感じられた一日でした。

帰り道の空は長い夕暮れを楽しみつつ、
穏やかな達成感とともにホテルへと戻りました。


次回は、滞在していた町 カウナス(Kaunas) の街歩きへ。
――旅はまだ続きます。